cocoせせらぎに暮らして   2021・7・7

cocoせせらぎに暮らして               2021・7・7

IMG_0006                           せせらぎアジサイの小径

無・財・七・施? 

6月のホームページに「笑顔」のことを書いていて ふと思い出した言葉がありました・・・それは「和顔施」。「笑顔で人に接すると それだけでいいことをしたことになるんだよ」と 今から15年ほども前に 韓国の若い友人が教えてくれた言葉です。

博士号を取るために日本に留学で来ていたその女性は日本語ペラペラで いつもユーモアたっぷりに私にたくさんのことを教えてくれたのですが なにかの折に「和顔施というのは『無財七施』のうちの一つでねー」と話しはじめました。「え? 無罪?」「ちがうちがう! 無財だよ」。 忘れないうちに と私は急いで項目だけ手帳に書きとめました。ずいぶん前に聞いた話なので深い内容は忘れてしまいましたが メモを片手に思い出してみました。

「無財七施」とは読んで字のとおり お金がなくても人にしてあげることのできる七つのこと。                                    一、慈眼施 やさしいまなざし。                         なにか失敗をしたときでも 厳しい目つきでなく そんなこともあるよね~とあたたかく見守られたら よし、今度こそがんばってみよう と思えます。

二、和顔施 おだやかな顔 笑顔。                        周りがなごやかな雰囲気になります。笑顔の人からはガン細胞も逃げていくそうです。

三、愛語施 やさしい言葉。                           同じことを言うにも きびしいトゲのある口調と やさしい口調では受けとり方が まったくちがいます。

四、身施  身で人のためにできること。                     困っている人にお金で解決してあげることができないときも 話を聞いて抱きしめてあげることはできるかもしれない。

五、心施  善意のまごころ。                          ウソいつわりのない気持ちで人に接し「ありがとう」「すみません」などの言葉を素直に言えれば 相手の心にまっすぐ届きます。

六、床座施 座をゆずる。                            譲れることと譲れないことがあるけど 座や席くらいなら譲れるかも。

七、房舎施 家内の部屋を提供する。                       日が暮れ 今夜体を休めるところもないというピンチのときに軒を貸してくれる人がいたら 地獄で仏に会った心もちでしょうか。

「施」というのは 人が人にしてあげられる行為 ボランティア的な行動と言えるかもしれません。こういうことが「偽善者っぽい・・・」と言われ ワライやイジメの対象になりがちな日本。ところが韓国では 「正義は勝つ」と堂々と言いきる国柄だけあって 恥ずかしげもなく席は譲ってくれるは泊めてくれるは道に迷っていれば行き先までついてきて教えてくれるは・・・旅行をしていて私は何度も「施」を受けました。クリスチャンが多いといわれる韓国ですが このような仏教の教えも生活のなかに息づいているんだなと思いました。

仕事から遠ざかり お金の匂いからもどんどん縁遠くなっていくけど お金がなくても目で 口で 顔で 体で 心で できることがこんなにたくさんあるんだ、cocoせせらぎで共生生活をおくる私たち おおいに参考にしなくちゃ。            「無財七施」を久しぶりに思い出して・・・とても得したような気分です。 (R)

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切り戻ししたペチュニアをボールに