cocoせせらぎに暮らして 2020・12・15

せせらぎに暮らして       2020・12・10

 

IMG_0005 4『認知症を学ばなければ・・・』 かわさき市民公益活動助成事業によるコラボ勉強会

cocoせせらぎも7年目にはいり その間Aさんというお仲間が ” もしかして認知症?“ というところから    “ これはなんとか手を打たなくては”  ” Aさんはいつまでcocoせせらぎにいられるだろう”  とか考えなければならない という体験がありました。                    そのとき私たちは認知症についての知識もなく Aさんが少しずつ普通の生活ができなくなっていく病状の進行についていけず ただおろおろしていたことを思い出します。Aさんと もう一人の方の認知機能の衰えを体験し 私たちは「認知症は他人事でなく自分事なんだなぁ」という覚悟をもちました。

今回 川崎市民センターの活動助成事業があると聞き ぜひ認知症についてみんなで学習したい!と応募したのは そんな思いからでした。                         他組織との共催が条件だったので いつもお世話になっている ”ホッとスペース介護事業所” とのコラボをお願いし 「認知症専門医の川崎幸クリニック杉山孝博先生の講演と ”認知症の人と家族の会” の方にも話していただく勉強会」ということに決まりました。               公の助成をお願いするにはたくさんの応募書類が必要で 目的 規模 コラボ組織の情報 使用会場 役割分担 予算 広報計画・・・7、8ページもある記入事項に 事務局長の F さんは四苦八苦。自宅持ち帰りでやっと書類ができあがり 市民センターに提出されました。

助成が決まったのは5月下旬 さて 具体的な準備にとりかかろうとしていた矢先に コロナ禍がどんどん広がっていきます。見通しがたたないなかでしたが「助成をムダにしないように なんとか実現させましょう!」を合言葉に チラシを作り募集も開始しました。            しかし「コロナ緊急事態」「ロックダウン」などという言葉もでてくるなか 見直しをせまられ 市民センターからは指導伴走者も来てくださり 計画を練りなおしていきました。高齢者の参加が多いと予想され 三密を避けるためにはzoomのお世話になるしかないということになり 思いがけずzoomに初挑戦!ということまでありました。

2020年9月27日(日)1:30~ 中原自治会館の会場に30名くらい zoomでの視聴申込約40名の参加で コラボ勉強会は無事行われました。                       杉山孝博先生は「認知症を理解するための9つの法則・介護するための原則」を話されました。たとえば認知症とは知的機能の低下によってもたらされる生活障害であること。聞いたこと話したことを直後に忘れる しかし感情だけは残像のように残ること。同じことをくりかえす・身近に世話してくれる人には症状が強く出て他人には体裁をつくろう・症状がまだらである・非常にこだわりが強い・老化の速度が速い などなどのお話があり じょうずに介護するためには 認知症の世界に合わせて 時には演技する気持ちで接することが有効だということも。           家族の会が製作した『認知症と向き合う』という短編映画の上映と ずっとお義母さんを介護された経験者のお話があり 質疑応答もふくめて 3時間におよぶコラボ勉強会は終了しました。

勉強会を開催するにあたって お忙しいなか時間を割いて認知症の医療・介護の基礎知識を私たちに話してくださった杉山先生 助成と支援をいただいた市民センター コラボに応じてくださった「ホッとスペース」はじめ 家族の会の方々 その他多くの方のご協力があって 開催までこぎつけました。ありがとうございました。

IMG_0001 3               質問に答える杉山先生と司会のホッとスペース所長佐々木炎氏

 参加しての感想

私にとって ぼんやりした知識しかなかった認知症ですが 杉山先生や他の方々のお話を聞いて すこし輪郭がはっきりしてきました。                           先生は講演の冒頭で このように言われました「認知症は特別な病気ではありません。75~80歳の20%   80~85歳の40%   85~90歳の60%は認知症です。」                  それを聞いたとき 私(79歳)の年代は20%の確率で認知症になっているんだ・・・と納得したのですが その時ふと自分の脳みそのことを思いました。もしかして20%というのは人の数ではなく その年代の人の脳みその20%が機能を失いはじめているとも言えるのではないかと。自分の日々をかえりみると 忘れ物・失くし物が多い・言葉がでてこなくて「あれ、これ」ばかり言っている・数字の記憶があやふや・昨日の夕食のメニューがすぐにでてこない・・・などなど私の頭の中の20%はたしかにイカレているな~と。

栄養・衛生状態が良くなり 医療が発達し 今や100歳まで生きる時代になりましたが 本来ヒトとしての寿命は50ー70歳だと 新聞記事で読んだことがあります。よくもまぁ 私の心臓 胃袋 肺は79年間1日もやすまず 働いてくれたものです。そのおかげで 今日もなんとか元気に動きまわっていますが 目はかすみ耳はとおくなり 各部品は確実に傷んでいます。きっと脳みそだって79年間の記憶に耐えられなくなっているのでしょう。                    だから老年の認知症は 病気というより手助けが必要な状態と言ったほうが合っているのでは・高齢期まで生きることができた幸せな人がかかる病気とも言えるのでは・・と先生のお話を聞きながら思ったのです。家族や地域の人々が 老年期の当たり前の姿として 自分の未来の姿として 受け入れてくれるようになったら 認知症もあまり不幸でなくなるのではないでしょうか。

私は自分に言いきかせました。認知症 恐れるなかれ嘆くなかれ! 認知症になれるほど長生きできたことを喜ぼう! そして認知症になってない正常な部分を働かせよう!と。        脳は脳だけで働くのでなく 感動することで刺激を受けるのだろうから 今日もワクワクに出会えるよう アンテナを張ろう!!                 (R)