「cocoせせらぎ」 に暮らして  no.1    

 

●土田さんの絵絵

≪77歳 今日一日をていねいに≫ 2019・11・1

一人暮らし10年目に 人間はやはり一人で生きるものじゃないな・・・と思いはじめた頃 縁あって「グループリビング cocoせせらぎ」に出会いました。 そしてグループリビングの看板【自立と共生】という言葉に惹かれて 入居したのが ちょうど3年前の11月でした。       3年たって この地域にも慣れててきたし 自分なりに部屋を整えcocoせせらぎにかかわる沢山さんの方の ”人となり ”  が少しずつわかってきて ここでの生活が楽しくなりつつあります。

ずっと仕事を続けてしてきたせいか 退職したあとも 夫が亡くなって一人暮らしになってからも 何時も何かしなければならないことを勝手に見つけては バカみたいに忙しく過ごしてきました。 そんな私に”77才にはバタバタ追われるような生活は無理だよ” という事を教えてくれるように 体が軋んできました。 急ごうとしても急げない ぐっすり眠ろうとしても眠れない・ ・ ・ あと一ヶ月で78才才になろうとしているこの時に 私が気づいたこと     それは「追われるような生活はやめて 今日一日をていねいに」 という事でした。

「おねがいだから ちょっとの間でいいから  じっとしていてくれないか?」 と夫が言っていた言葉を思いだします。 目標に向かってまっしぐら走らずにいられない 走っていないと活力を失ってしまう回遊魚タイプの人間なのかもしれない 自分は。  これからは減速して一つ一つのことに丁寧に」向き合っていこうと 70代後半になってやっと気ずきました。

ぺースを落として生活すると日々の暮らしも 今までと少し違って見えてきました。 「coco せせらぎ」で暮らし始めたこと ここでの出来事、いろいろな方との出会いなど 心にとどめたいことを少しずつ書き留めていきたいと思います。そのまま

 11月の空と 武蔵小杉の高層マンション    COCOせせらぎの3Fから

≪体温計が生き返った!≫  2019・11・5

日によって気温が大きく変わるので 風をひいたようです。熱っぽくなったので  体温計を取出して測ろうとしました。 ところが数字が出てきません。img338

去年買ったばかりなのに~と文句を言いながら手の中で振ってみても駄目。仕方がない  新しい体温計を買ってこなくちゃ と財布を持って走り出すのが今までの私。 でも今日の私は ふと体温計の持ち手の所に小さなネジが有るのを発見。 こんな小さなネジを開けるドライバーが有ったっけ? 頭の中は 私の持ち物の間をグルグルめぐりました。 そうだ! ずいぶん前にソウルの眼鏡屋でメガネを作った時にサービスで付けてくれたメガネ用の細くて小さいドライバーがあったはず。  小物入れの引き出しをゴソゴソ 直ぐに見つかりました。 ネジに当ててみるとぴったりで ネジをはずして蓋を開けると 中に小さな電池が入っていました。  電池切れで 体温計はビクともしないのかな? ところでこんな小さな電池、家に有った?   また私の頭の中は持ち物の間をグルグル。そして電池を入れた 箱の中に  小さな小さな電池がたった一コだけ残っているのを発見しました。あまりに小さいのでピンセットで電池を入れ替えて、スイッチを押すと・・・何と体温計が復活したのです。  無駄に体温計を買わなくて良かった それに一コだけ残っていた電池も使いきれたし ドライバーがぴったり合ったし。 走り出さずに体温計を掌の中に暫くおいてみただけで こんなにすっきりとした気持ちになった と嬉しくなりました。

≪ 野紺菊が咲いた!≫  2019.11・10

毎年 冷たい風を感じはじめるころは  私は野紺菊がどうなっているかを見に行かずには居られない  それくらい好きな花です。   前に住んで居た家から去年根っこを持って来て せせらぎ の土に根付いたのを見届けてからは、何時咲くか・・・その日をまだかまだかと待っていました。     一週間 まだ小さい蕾はかたく閉じていました。1日1日蕾がふくらんで紫の色がさしてきました。 昨日一輪  パッと咲きました。 それこそ5本指を指先までいっぱいに開くように。 野紺菊は花びらの先まで力がこもっています。  紺色と少量の赤が混ざった 何ともいえない気品のあるムラサキ色 ガクに近い方は白のグラデーションも入っていて・  ・ ・直径がたった1.5cm位のちいさな花なのに 一輪挿しにも耐える存在感を持っています。     「せっかく咲いたのに ごめんね」 と言いながら 咲いた一本の野紺菊を切って信楽焼のとっくりに生けました。   『花は野にあるように』という言葉の通り たった一輪なのに 信楽の土色とムラサキの花は 野の美しさをいっぱいに感じさせてくれました。

≪認 知 症 マージャン≫   2019・11・18

月に1・2回 cocoせせらぎで生活している人や働いているスタッフが集まてマージャンをします。  最初はまず覚えることからはじめて 2年くらい続けたら 最近は点数を計算して勝ち負けが出てくるまでに上達してきました。            お金のやり取りは無しですが、 今日のマージャンで あれっという事がありました。 最初の配パイが良くてアッという間にまとまったので、私は恰好良く 「リーチ!」 と言いました。 パイがまだ沢山残っていたので、みんな「えーそんなー早すぎるよー」 と。  ところが一周して自分のパイをよくよく見ると なんrと6ピンと7ピンを見まちがいて並べているではないですか・ ・ ・  「ごめん、ごめん!」  リーチ無だわ~ 私はあわてて言いました。 皆仕方ないな~と言いながらリーチする前の所まで戻ってくれました。  実のところ 大変あわてました。 今までこんなドジをしたことが無かったので、私は「これって認知症が始まったんだわ。」 「皆よろしくね」 と言いました。 それを機に なんか皆ネジがゆるんだのか、順番を間違えたり、上り方を間違えたりする人が続出 「認知症ってうつるんだって聞いたことあるよ」 「私の認知症が皆に移ったわね」 「いやだ 変なものうつさないでよ」 「もしかしてこれって”認知症予防マージャン” じゃなくて”認知症マージャン”だね。」   「じゃあ認知症ステージ1から とか参加基準を決めなくちゃね」とみんな大笑いになりました。  そしてもし認知機能が落ちても、明るい認知症でいきましょうね! という事でみんなウンウンとうなずきながらお開きになりました。

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