終の住処プロジェクト第3回話し合い

報告

終の住処プロジェクト第3回話し合い

2023.12.20

 

12月とは思えないような明るい陽差しが入りこんで暖かい食堂に 6人が集まって話し合いました。前回までに cocoせせらぎでも最期を迎えることは可能・・・というところまでたどり着きました ただし介護認定が厳しくなる 介護ヘルパーの数が足りなくなる などの問題は出てきそうですが。

 

今回のテーマである「遺言」について話しあう前に TV 番組「ヒューマニエンス ヒトの穏やかな死」について友人がまとめた文章を  I さんが配ってくれました。

《今や 老人の死因はガンや心疾患をぬいて 老衰(他に記載すべき原因がない死)が一位となった。それは社会全体が高齢化とともに 治療を行うよりは自然な死を受け入れるという変化があったからではないか。

痩せと肥満の指標 BMI(体重÷身長÷身長)は 死亡の5年前ほどから落ちていき 2年前になると急激に落ちる。食事が細くなり水分が取れなくなると 人は10日くらいで亡くなる。老衰による最期を予測できるBMI の数値変化が 調査によってわかってきた。

誰にでもやってくる「死」とは 苦しいものだろうか。下顎呼吸など苦しそうに見えるが 研究によるとエンドルフィンという脳内麻薬(苦しみ痛みを感じた時に分泌され 通常生活のストレスでも分泌)が放出され 気持ちが穏やかになり安心して最期にいたれる。

人間が成長するのに20年かかる 死の準備期間として5〜6年あってもいい これがまさに老衰死なのかもしれない。》

終の住処について話し合っている私たちにぴったりの資料を ありがとうございました。

 

遺言についての話し合いが始まりました。3人のメンバーが 用意したものを持ち寄ってくれました。

  • すでに役場で手続きをした遺言公正証書と尊厳死公正証書を用意した人
  • 子どもたちに向けて・財産について・親としての気持ち・葬儀について 自筆で書き 印を押した遺言を用意した人
  • 子どもが一人 具体的な物の遺贈は済ませたので その後人生を振り返って感謝の気持ちなどをパソコンで打った 印なしのものを用意した人

3人それぞれが用意したものを回し読みして 遺言ってなんだろう?と皆が感じたと思います。いろんな形があっていいのだろう 逝く人の気持ちが残された人に伝わり 具体的なことの指示がはっきり分かれば。以前の大家族の時代とちがって今は家庭をもたない人 子どもをもたない人 少人数の子ども の世相で遺言はかえって大げさと思う人もいるかも。

それでも①の形式が一番正式で 逝く人の意志がまちがいなく残された人に届く形式だということはみんな納得。どんな形式であっても お金・物・言葉などを通して これから生きていく人に愛が届き 生きる力が与えられればいいのだと私は思いました。

 

尊厳死についての言葉を残しておくことは もはや「判断できない」「喋れない」という重篤な状態になった場合には とても重要だということを学びました。医師は本人がきちんと書いて印を押したものがないと 人工呼吸器や胃ろうを外すことはできない。だったら cocoせせらぎのみんなで書式を検討して作っていこう ということになりました。

 

また葬儀について 6、7年前葬儀社の方に来てもらって 万が一の場合はこのような葬儀ができるという例を話してもらったことがありました。しかし今のメンバーはほとんどが聞いていないのでもう一度説明を聞きたい という意見が出て 来春にさっそく企画することになりました。

 

老衰死だ 遺言だ 尊厳死だ 葬儀社だ と縁起でもない話ばかりだった割に みんな結構ワイワイ賑やかに喋って情報交換し 1時間はあっという間に過ぎ 終了としました。スクリーンショット 2023-12-18 102022

(入居者・土)