カテゴリー別アーカイブ: COCOせせらぎに暮らして

夏みかん

2023.04.24

みんなで作ったマーマレード

 

cocoせせらぎのお隣に住む大家Aさんの庭に、今年もぼんぼりのような甘夏みかんがたくさんぶら下がっています。ツヤツヤして木成りの完熟のようです。

Aさんから「ぜんぶ収穫してなにかに使ってね」との連絡をいただき,雨上がりを待ってM氏とさっそく収穫作業開始、なんと1個500gの重みのある夏みかんを9個摘み取りました。

4個は調理担当のスタッフさんがデザートに使いたいとのことで、残りの5個はマーマレードを作ることになりました。

手の空いた入居者6人が各自の包丁を持ち寄り、仕事を分担してマーマレードづくりに挑戦,経験者も初心者もワイワイガヤガヤおしゃべりしながらの楽しい作業です。

皮を洗い、四つ割りの皮は茹でこぼし、1ミリに薄切りしました。果肉は薄皮と共に煮始め、ペクチンの豊富な種も小袋に入れて煮ます。今回は水のかわりに料理用の白ワインと、杏酒を加えた贅沢な作りです。

そこにグラニュー糖を数回に分け投入して、とろみがつくと完成です。

大家さんにはガラス瓶に入れてお礼としました。残りは入居者10人に等分に分けました。

原料が良かったのか,ワインや杏酒のおかげか、味も色合いも特級品と自画自賛しての出来栄えのうちに、甘夏マーマレード作り無事終了しました。

  (入居者:石)

cocoせせらぎに暮らして    2023・3・20

cocoせせらぎのひな祭り    cocoせせらぎに暮らして2023・3・20

コロナウィルス感染も マスコミでは下火になったと報じられています。この隙間をぬって私たちもおひなさまと一緒に春を祝いましょうと 入居者を中心に  cocoせせらぎの日頃の活動を支えていただいている運営委員・スタッフ・ボランティアに声かけして 27名でせせらぎひな祭りを3月2日に行いました。

IMG_0024cocoせせらぎには 木目込み8段飾りのすばらしい雛飾りがあるのです。ボランティア K さんに雛壇を組み立てていただき 緋毛氈を敷いて 1年間眠っていたお雛様やお道具を 入居者で飾りました。桃の花もほんのりと蕾をほころばせています。またボランティア手作りのつるし雛もたくさん飾りました。加えてボランティア M さんの71年前のお内裏様もお飾りして 豪華で見ごたえのある雛飾りができました。

当日は 挨拶やボランティアの紹介があり 入居者 T さんがピアノ演奏したり みんなで「たのしいひなまつり」「朧月夜」をスタッフの伴奏で歌ったり 和気あいあいのなかプログラムは進みました。

お昼はサンドイッチ弁当に桜餅。

cocoせせらぎは飲める人が多いので みんなでことあるごとにアルコール類を楽しんでいますが 今回も赤白ロゼワイン 濁り酒の差し入れがありました。お抹茶も M さんが茶釜を持ちこみ お点前をしてくださいました。地域の方が手作りした「さくら」「うぐいす」など和生菓子もふるまわれました。梅ジュースは去年地域の方から差し入れのあった梅を 入居者が手作りしたものです。それから酒粕から作った生姜風味の甘酒も 大鍋にたっぷり作ったのにあっという間の完売でした。                                         日々付き合いのある仲間 話題は尽きませんが 記念撮影をしておひらきにしました。     こうした行事があるたびに 私たちの生活は支え合いだなーと ますます実感するのです。    IMG_0012

 

雛飾りは外の通りに面して設置されていますので 通りすがりに「なつかしい~」と声かけしてくださる人や 写真を撮っていく人が結構います。夕方から就寝時まで ぼんぼりに灯りもつけています。お内裏様をほんのり照らす横顔を見ていると 幼い日のひな祭りを思い出すのは私だけではないでしょう。

ひな祭り齢重ねて嬉しかり明年もまた祝いたきかな       (入居者・石) 

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COCOせせらぎに暮らして 2022・12

cocoせせらぎに暮らして               2022・12

秩父に遊ぶ

 調理スタッフ、E.A。

絵に描いたような小春日和の中「ここせせらぎバスハイク」の一行14名は一路秩父へとマイクロバスを走らせました。私を含めここ二三年ほどコロナ禍で遠出もままならず、開放的な旅気分を味わうこともありませんでした。もちろん現在も「感染対策をしっかりして」という枕詞はつきますが・・・・・・・。

バスに乗り込むと、差し入れの朝食とおやつをいただき、旅気分全開で久しぶりの遠出旅みんな楽しんでいました

途中でトイレ休憩しながら峠を越えると、眼下に秩父の街並みが見えてきました。最初に訪れたのは四番札所金昌寺大きな山門と草鞋のお出迎えです。中に入ると大小さまざまな石仏が穏やかな顔で所狭しとならんでいました。古の人々は何をお願いしてこの石仏を奉納して来たのだろうかなど、思いをめぐらせながら参拝してきました。次に向かったのは西善寺。「コミネかえで」の大木がどんと天を突き破る勢いで枝を張り巡らせていました。樹齢六百年とか戦国の世を生きた人もきっとこの大樹を眺め、私達と同じように癒されていたことでしょうね

もう一箇所所訪れたのは「まつり会館」秩父夜祭で有名な山車傘鉾が展示してあり、大きな技術の高さ。歴史の深さに圧倒されました。これが実際に街に繰り出されたら、すごい迫力だろうなと想像を広げました。

もちろんお昼ごはんと温泉も旅のを楽しみの一つではありましたが、私は久しぶりの旅で日本の秋を満喫できました。計画してくださった皆さん、旅を一緒に楽しんでくださった皆さん、ありがとうございます。

cocoせせらぎに暮らして      2022.10.25

cocoせせらぎに暮らして           2022・10・25

巾着田の曼珠沙華  見物

暑さ寒さも彼岸までといわれるなか 9月中旬を過ぎても真夏日がつづき 9月の三連休は台風に見舞われ 天候不順がつづきました。ところが予定の9月27日は快晴となり 私たちせせらぎの仲間3人は 埼玉県日高市の巾着田を目指してバスで出発しました。

JR南武線新城駅から乗りこみ終点立川駅まで そこから青梅線・八高線・西武池袋線と 4回乗り換えて 高麗駅まで約3時間かかりました。平日ということもあり 電車は空いていましたが 高麗川沿いの河原には遠足の子どもたちやグループが多くいて 賑わっていました。

昭和40年後半ごろ 高麗川の巾着田の用地を日高市が取得し 藪や竹林 葦に覆われた現地を整地したところ 9月ころ一斉に曼珠沙華が咲きそろったそうです。高麗川が蛇行した形が〈きんちゃく〉に似ていることから巾着田と呼ばれるようになり 河川の増水によって流れてきた漂流物の中に混じっていた球根がここに漂着して 根づいたものと言われています。

秋の彼岸を少し過ぎていましたが 500万株の曼珠沙華が赤いじゅうたんを敷きつめたように咲き渡り 樹木の間から差しこむ陽に照らされ キラキラと光り輝く様はほんとうに見事でした。

しばらく散策し テントの下で焼きソバをいただきました。入園料が500円かかりますが 広大な公園の整備のためには納得でした。帰り道に農家さんが野菜や栗を売っており 迷わず栗を購入。3人からのお土産として持ち帰り 冷凍庫にしまいました。

3日後に保管しておいた栗を皆で手分けしてむき スタッフさんに夕食の栗ごはんを作ってもらい いただきました。年に一回の栗ごはん きっと長生きできるかな~と思いながら・・・

元気に12000歩の散策! 翌日足の痛みもなく ウォーキングをつづけていける幸せに感謝しています。                           (及)

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cocoせせらぎのバーベキュー・パーティ

コロナも一時おちついて 私たちもホッと一息。そうだ、以前やったことのあるバーベキューをまたやろうよ ということになりました。10月5日の夕方から食堂と裏庭に20人が集まりました。                                          買い物担当 仕込み担当 焼き方担当 食べる専門の人もいて・・・それぞれ楽しい2時間を過ごしました。炭火がおきてきて そのうちカッカと燃えさかり そしてだんだん灰になって白く消えていく。石油ストーブやエアコンでは味わえない 体の芯まで温めてくれる炭火を久しぶりに味わいました。

 

 

 

 

 

cocoせせらぎに暮らして     2022・3・10

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梅 見 行

IMG_0009 前週までシベリア寒気団に掩われていたので、春は名のみの風の寒さ。2月の末日から一気に気温が上がって、せせらぎ遊歩道の河津サクラが五分に咲き、気の早いカルガモの雛が母親の翼の中に頭を突っ込んで暖まっていました。

ヒトも同じ。ましてやコロナに行動を抑えられてきたので、とにかく打ち揃って遊びに出掛けたい、出掛けようと思うようになっていました。

COCOせせらぎ住人六名が今こそ春と今年初めてのグループ散策に出掛けました。行き先は日吉公園です。事前に花の様子を二回下見の上で、3月2日花曇りのような陽光の下、11時半急ぐことなくゆったりと出発しました。丘の上の市立井田病院までは市営バスを利用して無理なく高度を稼ぎました。あとは平坦な道を左側に矢上川を見下ろし、小杉の高層マンション群の遠景を望みながら、おしゃべりしている10分足らずに公園のうえ入り口に着きました。 

入り口の左手に紅梅と白梅の枝垂れが早速出迎えて呉れました。右手には紅梅と白梅の幹が根元から互いに絡み合って、恰も一つの木に白と紅の花が咲いているかのような古木があって、梅香の塊が微かに漂って嗅覚をくすぐる錯覚があります。それを過ぎて坂を下るに従って、ほぼ八分咲きの白梅の高木が続きます。旧家の大きな梅林であったところは、平坦に整地され、家族連れの子どもたちが二三組遊んでいました。

私たち六人も一角にシートを敷き陣取って弁当を使います。有志が今朝早くから用意してくれたご馳走です。勿論全員完食。やっぱり花より団子でした。 

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(これがこの日の野外ご馳走)

下り坂とは言え、歩いて帰るには距離があるので、井田病院に戻って、来るときの反対のバスに乗って帰りました。因みに帰り道の全行程を歩いた見栄張りの私の歩数計では、6200歩、4.2㎞でした。難点はトイレです。往復とも井田病院を利用することがお勧めです。(ik)

       梅の木に二羽の目白が飛び交いて蜜吸う    たびに花びらの舞う (F)

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cocoせせらぎに暮らして    2022・2・7

介護事業所「ホッとスペース」を見学してきました

同じ屋根の下で暮らしていたお仲間二人が認知症で退所という経験をして 私たちは cocoせせらぎのみんなで認知症を知ろうと 数年前からシンポジウム 講演会 学習会など 少しずつやってきました。

その間 もし認知症になったらどれくらいまでせせらぎにいられるんだろう せせらぎにいられなくなったら どこか安心できる所はあるだろうか とみな心配を口にしていました。そうだ 認知症を知ることと並行して 実際を見て歩こう! ということに。

オミクロンが下火になるのを待てない・・・といった感じで まずいつもお世話になっている介護事業所ホッとスペースに見学を申し込んでみました。昨年11月に学習会で話してくださった所長の佐々木先生は 見学を快く承諾 お忙しいなか案内・説明ばかりでなく 話合いの時間も割いてくださいました。

1Fは 玄関・キッチン・広いホールで デイケアに多くの人が集まるスペース 日曜日にはキリスト教会の礼拝の場にもなります。

2Fの事務所では多くのヘルパーさんが事務をとり 経理・管理・応接の場所に。

3、4Fは各室8畳くらいの個室が14室あり 小さな居住スペースでありながら ミニキッチン・洗濯機・風呂が備えられ 高齢者ばかりでなく色々な方が入所しておられるようです。その一つの室内を見せていただきました。寝たきりで認知症でもデイケアに参加していて カーテンもベッドから自分で開け閉めできるように工夫し 介護を受けながら元気で過ごしておられる方のお部屋。「認知機能に衰えはあっても全く問題なく過ごしていますよ 夜は職員が一人もいなくなるけど 大丈夫」とのこと。

一回り見せていただいたあと 先生がざっくばらんに「どうでしたか」と聞かれました。すると一人が即答「今すぐ申し込みします せせらぎにはいつまでいられるかわからないから」と。

「そう? せせらぎは一緒に過ごす仲間がいるんだから 介護を受けながら最後までいけると思うけど」という先生の言葉から 私たち6人 いろんな意見が出てきました。

「助け合いというのがなかなか難しい。助けの手を出すことに勇気がいるし 助けを受けることにも勇気がいる状態。」

「それは、、 せせらぎは広いスペースがあるんだから 食堂にソファーでも置いて自由に集まって 親しくなる居場所を作ってみたら?」

「そうだな お互い知らないな~ 自分の生い立ちを書いて読んでもらう試みをしてみたけど・・・なかなか続かない。そういう場所を作るというのもいいですね」

「入所施設は認知症の人もOKということですが 一人で外に出ていっても本当に心配ないのですか?」

「今まで困ったケースは一度もない。出ていく人もいないし いたとしてもそんな遠くまで行って困るということはないと思いますよ」

認知症の人が出たらどうしよう・・・とcocoせせらぎという集団のこれからのあり方に恐れや迷いを感じていた私たちに 認知症の方たちと日々接しておられる先生が 拍子抜けするほどあっさりと「大丈夫!」と。そこに 認知症という症状を見るのでなく その人を見ている・・・といった人間への信頼のようなものを感じました。細身で長身 ハンサムな先生ですが 心はとても太っ腹。危険への配慮はもちろんしておられるでしょうが 管理的な施設ではありませんでした。  寒い日でしたが 先生の熱気をいただいて暖かい気持ちで帰ってきました。

これからcocoせせらぎは 認知症とともにどこまで歩めるでしょうか 手探りです。      学ぶことはもちろんつづけますが・・・仲間の認知症 自身の認知症とどのように前向きにつきあっていきましょうか・・・                           (土)

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年とるって悪くない

「そんなはずないでしょ? 生 老 病 死 という言葉があるじゃない それがまとめてやってくるのが 年とるっていうことでしょ」という声が聞こえてくるようです。たしかに生きる苦しみ 老いる苦しみ 病む苦しみ 死の苦しみ・・・どれも人として生まれたら逃れることのできない四つの苦しみ。これはお釈迦様がおっしゃる四苦で 残りの四苦(愛別離苦アイベツリク 愛する人と離れる苦しみ 怨憎会苦 オンゾウエク 憎い人、腹が立つ人と会う苦しみ 求不得苦 グフトクク 求めたものを手に入れることができない苦しみ 五蘊盛苦 ゴウンジョウク 私たちの心と体は苦しみ、この世の一切のものは苦しみ)と合わせて 四苦八苦なのだそうです。

自分が望んだわけではない(親ガチャの)環境に生まれ 学校生活にもまれ 就職して仕事にもまれ 結婚子育てしながらの仕事人生にそれこそ四苦八苦 やっと退職。生きる苦しみからちょっと解放されて年金生活に と思ったとたん 老いる・病む・死ぬ の三苦が束になって襲ってくるのが 仏教流に言う人の一生のようです。

私のつれあいは 退職してたった二年で亡くなってしまいました。仕事は 楽しんだか?といえば どちらかというと苦しいことの方が多かっただろうと思います。それを忘れようと いつも呑んだくれていましたから。家族への責任を終えて これから自由に過ごせるな~ という時に末期の肺がんが見つかり 身体中に転移していて手の施しようもなく 病む時間もたったの40日間・・・「楽しかったよ」と彼は最後に言ってくれたけど・・・ 老・病・死を40日間にまとめて経験し 逝ってしまった。。。

私はものすごく泣きました。でも愛別離苦のなかで 体の死はその人の終わりじゃないとなぜか確信できることがあったので それ以後は立ち直って 自分の「老病死から逃げる」のでなく「はじめての経験に立ち向かっていく」という前向きな気持ちになれました。 そのときふと 年をとるのって悪くないなぁ と気づいたのです。たとえば・・・

・体の方はあらゆる部品が古くなり シミシワシラガは数えきれず でもこれはDNAに組み込まれているのだから致し方ない 一方いろんな心配がなくなって今人生で一番たくさん食べたくさん眠って 人生最多体重を更新中

・「自分という車」の運転が楽になったこと 暴走したり故障したり・・・失敗しつづけてきたこの車も 自分の癖や欠陥・限界がわかって ここでギアチェンジ ここでハンドルを切る ここでストップ という具合に 自分の扱いがだんだんうまくなってきた

・すべてを自分でやろうとせず天に任せ 機が熟すまで待つことができるようになった(待ったおかげでcocoせせらぎにも出会えました cocoせせらぎは老いの正解だと思っています)

・待ったり 耳を傾けたりができるようになったら いろんなことをまっすぐに理解できるようになった

・長い間 生きる意味がわからず悩んできたが 私は私に生まれてきてよかったんだ と納得できるようになった

長い老後の時間を与えられ 今までを振りかえるゆっくりした時間をもてたからこそ 「年とるって悪くない」と感じることができたのだと。

1日の終わりの 夕闇せまるころのおだやかな空気 鳥も巣に帰り すべてのものの輪郭がぼやけてくる そんな時刻が私は好きです。最近ショパンコンクールの影響もあって ショパンの曲をよく聞くのですが 夕刻の静けさを感じさせるフレーズがたくさんあることに気づきます。39歳の若さで亡くなったショパンなのに ♪♪♪    でも早逝の人はそれなりで人生を完結している と聞いたことがあります。ショパンも人生の終わりを予感していたのかな。

今 私はその夕刻の静かな時間のなか ショパンを聞きながら老いの幸せを感じています。                           (土)

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そろそろ雛祭り cocoせせらぎには七段飾りの立派な雛飾りがあるのですが コロナで2年間しまいっぱなし。きっとしびれを切らしていることでしょう。今年は明るい日差しの中でおひなさまたちに逢いたいです。