「cocoせせらぎ」に暮らして    no.3

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

●土田さんの絵絵 cocoシアターで映画を見ましょう  1月3日

400訂正済暮れから食事スタッフの方が腕を振るってくださり、私たちはそのお節と「久保田千尋」の乾杯で新しい年を迎えることが出来ました。4人の食事スタッフの方の美味しい料理をいただける幸せを 新年にあたって  改めてかみしめました。

食事が終わってお腹がおちついたころ映画の始まり!  です。

tsutayaから借りておいた第Ⅰ作目のDVDは『マイケル・ムアの世界侵略のススメ』。世界侵略とは ドキュメンタリー作品を多く作っているマイケル・ムアが 世界9ヵ国にカメラをかついで出かけ その国の良い政策をアメリカにブンドッテくるということらしいのです。  例えば  ・イタリアの労働者は年間8週間の有給休暇で疲れをいやす。          土田           ・ドイツでは1週間の労働時間は36時間 午後2時には帰宅 それでもストレス過多の人は無料のスパで3週間過ごす処方箋をもらえる。               ・フランスでは食事も教育の一部と考えられていて小学校の給食はフレンチのフルコース。 陶器の食器でデザートつきのレストラン並みの給食が出る。     ・フィンランドの学校では宿題が出ない 遊ぶことが重視され、授業時間は週に20時間 しかし学力は世界no.1                                 ・スロべキアでは大学の学費は無料で、若者に 借金を負わせない。 世界中から若者が集まる。

・ノルウェーの刑務所は牢屋でなく ひろびろとした緑の中の一軒家 重犯罪者も自分で鍵を開けて入り、料理に包丁を使う。世界で最も再犯率が低い。                              ・アイスランドでは企業の役員の40~60%は女性でなければならない  女性が住みやすい国No・1                                                  ・・・などなどの政策を「アメリカが頂き~~」 という映画でした。   ほんとうに日本にもブンドってきたくなる政策の数々。 真夜中まで仕事に追われ ブラック企業で働くうちに精神を病み自殺する 学校ではつめこみ教育に疲れはてて引きこもりに  大学卒業と同時に500万円もの借金の返済に追われる。 女性の地位は先進国中最低。。。 どこかの国を思い起こしながら この映画を見ました。

2日もcocoシアターにあつまりました。                                                      午前中は

福祉の谷間で苦しむイギリス下層社会をえがいた『私は ダニエル・ブレイク』 前例になるとまずいと言って 型どおりの対応に終始するお役所 福祉の網からもれて水商売に転落するシングルマザー フードバンクの暖かい対応など。 「日本と同じだね」と共感しながら見終わると・ ・ ・ お腹がすいてきました。昨日のお節の残りと焼き餅を皆でワイワイ言いながら用意してお正月料理はきれいにお腹のなかにおさまりました。                                午後のcocoシアターは ベトナム戦争を描いた『ディアハンター』。                     『ディアハン『ディアハンター』と『ダニエル・ブレイク』は見たいと思いながら忙しさにかまけて見逃してしまった映画で もうすぐ80歳になろうとする今 やっと願いが叶いました。

tsutayaの代金をひねり出す為 見る人一人につき一作品50円なにがしを缶に入れてもらったところ 最終的に計算したらお正月興行は成功! 収益(ほんの少しだけど)はイベント会計にはいりました。

皆で同じ映画を見て共感するというお正月の過ごし方 来年もつづけてみようとかな?

た の し い 終 活         1月10日

img351

断捨離が必要だといっても  だれしも  捨てるに忍びない物があります。          cocoせせらぎに移るとき えーっ? こんな物持っていく?と我ながらあきれつつ持ち込んだ物がありました。 それは古布 古毛糸の類。娘の幼少時に作って着せたワンピースの切れ端し 何かを作ろうと思って買ったお気に入りの柄・ ・ ・それらを見ていると 人の好みって一生変わらないんだな~ だから捨てられないんだな~となぜか納得しました。       cocoせせらぎの個室14畳の大きな空間 その片隅にしまいこんだまま 何かいい処分方法はないものだろうかと考えあぐねて  3年の月日が流れました。   ちょうどそんな頃 保育園の園長先生とお知り合いに「園で子供たちが遊ぶおもちゃを手作りしたいけれど保育者は忙しくて とてもそんな時間は無い」と聞きました。  そうだ!これで子供たちが遊ぶ人形を作ったら 最高の処分方法になる。

さっそく小さいころの人形遊びを思い出しながら 友達の作った軍足人形も参考にして・ ・ ・作り始めてみたら   なんと昔取った杵柄のとおり すらすらと作れてしまいました。

img352まず軍足のつま先が丸くなるようにお人形の顔を想像しつつ(100円ショップのアクリル綿が最適)を入れて首の部分を縫ってしぼる。軍足のカカトの丸みは内側に縫い込んで平らにし 綿を入れると胴体の出来上がり。そこに手と足を縫い付けたら もう本体は出来てしまいました。  古毛糸の中から濃い色の毛糸を選んで髪の毛に。濃い赤 紺 茶など毛糸はどんな色でもけっこう髪の毛としておさまるのでびっくりしました。 私の鮫小紋の着物をたおして小さい着物を縫い、主人のネクタイで帯をつくり、虎屋洋館をしばってあった細い金色の紐で帯〆をあみました。

娘の中学時代のチエック柄ほマフラーで暖かいスカートを作ったり、ピンクのワイシャツとジーパンを着せたり、 帽子編んだ残りの毛糸で男の子の髪の毛にしたり・ ・ ・ファッションを考えるのが楽しく、顔もそれぞれ違って 一つ一つ個性のある人形が出来上がりました。

保育園の子供たちが遊ぶ風景を想像しながら、楽しい終活にはげんでいます。

幸 福 度 チェック    1月15日

何かおもしろそうな番組がないかなー   とテレビのチャンネルをパチパチ変えていたとき Eテレビの『あしたも晴れ』と言うのが出てきました。 なになに?  老いて今を楽しむ幸せのヒント幸福度チェック?? おもしろそうー と見はじめました。

年を重ねて なお幸せに生きるにはどうすればいいか と言うことを幸福学の前野マドカさん(慶応大学院SDM研究所)がこのように解説していました。        幸福には「長つづきする幸せ たとえば健康 安心 心など 人と比べられないもの」 と  「長続きしない幸せ たとえば 金 物 地位など 人と比べられる幸せ」がある。 老いて今をたのしむには、多様な人とのつながりの中で どんなに小さくてもいいので一人一人が持つ知恵や技を生かしていくといい。 お裁縫が好き お料理が好き おしゃべりが上手 ユーモアのある人  歌が好き 体を動かすのが好き パソコン好き・ ・ ・どんなことでも。 泥だんご作り名人 ホーキ作りの達人なんて言うのもありました。   好きなことやりながら 地域とつながりを持つ事が大切です。

img358前野マドカさんは幸福度が上がる因子を 4つあげました。        ・ 「やってみよう」因子       夢や目標を持ち たとえ叶わなくても努力したり成長したりして自己実現を目指す人の方が幸福度が高い ・ 「ありがとう」 因子         まわりの人や環境に感謝し 人との信頼やつながりを築くことで幸福度が高くなる。

「なんとかなる」  因子  どんなこともポジティブにとらえて取り組んだり、自分のイヤなとこ ろも含めて自己受容出来る人のほうが幸福度が高い。

・「ありのままに」  因子 人と比較せずマイペースでやっていける人は幸福度が高い     自分らしさを押し殺しすぎてしまうと、幸福度は低くなる。

番組には 元気でイキイキのお手本のような二組の高齢者が出てきました。 大阪で食堂をきりもりしている86歳の双子姉妹。 朝4時に食堂に出かけて その日のメニューの仕込みをはじめることから、片づけをすませて店を閉める夜の9時まで 一日中働きずくめです。 昼は家に帰って一休みするけど又夕食の準備に店にもどる毎日。 二人とも人生今までいろいろ苦労はあったけど「今が楽しいね」と おしゃべりしながら くるくると働く姿は とても86歳とは思ません。  桐生市の平均年齢76歳のアーティスティック ・ スウィミングチーム。 病気をかかえたり、克服したり 家族のことも気になるつつ・ ・ ・水中で  チームで完成させる新しい技に挑戦することが 共通の生きがいになっているということです。 筋力の必要な水中技をみがき、 皆さんとても若々しい水着姿でした。

番組の最後で 前野さんは「寝る前に 今日一日の三つの感謝を数える」  という事を言われました。 今日一日のイヤだったことばかり思い出すと  その人は不幸に敏感になる しかし感謝することを探すことで  その人の脳は幸せに敏感になる・  ・  ・という事でした。

偶然だったのですが 本当にいい番組に出会いました。 年とったけど それでも毎日を楽しく過ごしたいなと思う私達のために   こんな研究をしている方がいるんだなぁ・・・   さっそく・・・ 今日の感謝の一つに入れました。

 父の日        1月20日

私の部屋の真ん中に 30センチくらいの低い机があります。     朝昼の食事をするのも パソコンも 読書も  手紙を書くのも アイロンや裁縫道具をひろげるのも・・・みんなこの机の上。私の生活の中心にドンとあります。 これは30年以上も前に父の形見に貰ったものでした。 その頃住んでいた家の 居間のソファの前に置くのに丁度良いからと。

和風のネコ足で  小ぶりな机なのに かなり重いです。「桜の木でできているから」と聞きました。 重いけど捨てられずにcocoせせらぎに引っ越してきました。ずっと使いつづけてもうかなり古ぼけています。食事の時に熱い容れ物をのせたためについた丸い痕 ぬれた紙からインクが移ってしまった赤いシミ こすった傷 細い刃物の痕 荒っぽい使い方をしている証拠が 沢山残っています。 だから せせらぎを退所することになった方が「机いらない?」と言ってくれたとき 心が動きました。 その方の座り机は まるで文士の机と言えるほど立派だったのです。濃い紅のウルシ塗りで 鍵のかかる小引出しもついていて その机は上品に光っていました。

わぉ 素晴らしい! いつも散らかっている私の部屋に合うかしら・ ・ ・2,3日お預かりしてみてもいい?」  私はつい父の机を傍におしやり その美しい机を部屋へはこびこみました。  そしてまるでお預かりしたお姫様のように 食事した後はキュッキュッ とみがき パソコンを動かす時も傷つけないように などど気をつけて過ごしているうちにわかってきました。 私の生活にはこの上等品は無理だと。

今また古ぼけた父の机で 毎日すごしています。                    父はよく勉強する人で 最後までこの机は本が沢山積まれていました。 私も見習ってというわけにはいかず オヤツなどが散らばっているけど. . . もっと大事にするので ここでの生活を最後まで支えてね と机に言いました。