cocoせせらぎに暮らして     2025・5・15

江戸の長屋と cocoせせらぎと。。

2025・5・15

桜がもう散りはじめるかと思われる4月はじめ お江戸の花見ってどんなだったんだろう・・・と隅田川のそば 両国方面に出かけました。川沿いの桜をながめ 江戸時代から名物のアサリご飯をお昼に食べたあと 深川江戸資料館にも足を向けてみました。前から江戸時代の長屋生活になぜか親しみを感じていて そういう暮ら しが展示されているらしい深川の資料館に一度行ってみたいと思っていたのです・・・ここならお江戸の庶民の生活の匂いが残っているかなと。

さて建物に入ってみるといきなり広い下り階段越しに 地下に実物大の江戸の町並みが広がっていました。20250416_222320(0)#1

八百屋 蔵を構えている肥料屋 米屋 船宿 細い運河で物資を運ぶ猪牙舟(チョキブネ)茶屋 天秤棒で商う棒手振り・・・などが表通りに その奥にお目当の”お江戸の長屋”が並んでいました。

長屋は夫婦者用の6畳間か 独り者用の4畳半か だいたい大きさはこの二つと決まっていたようで 着るものも一枚きりなのでタンスは不要 布団も折りたたんで部屋の隅に積むので押し入れもナシ カマドと水がめと流しの簡素な水場があり 煮炊きはおもに外で・・・これ以上ないほどのシンプルな暮らしがありました。

共用スペースとして10軒に一つほどの井戸端があって みんなで顔を洗ったり洗濯しながらおしゃべりし ゴミ捨て場と厠も共同です。(これらの実物大模型は 時代劇の大道具・小道具さんが作成したそうで 台所用品から室内の小道具まで とても精巧にできていました。)

今から150年~200年前の東京・深川・佐賀町の人々の暮らし・・・井戸端やトイレを一緒に使っているうちに人情が湧き 愚痴を言いあったり 自慢話を聞いてあげたり おたがいの子どもの面倒を見たり お醤油の貸し借り ちょっとしたお惣菜が行ったり来たり・・・この長屋模型を見ているうちに 要らぬおせっかいは焼かないけど ほどよくおせっかいを焼きあう お江戸長屋の人間模様が見えてくるような気がしました。

一方cocoせせらぎです。はじめて見学にきたとき 2階3階に5部屋ずつ ずらっと同じような部屋が並んでいて 小さな台所はシンプル あら~ これは令和(あ、まだ平成でした)の長屋だわー と気に入ったことを思い出しました。でも江戸の長屋とちがって部屋は14畳もありました トイレ・ドレッサー・ベランダもついているし 上等!  10年間の一人暮らしで一日誰とも喋らない日もあって孤独だった私は 独り者長屋のようなせせらぎが気にいって入居しました。

同じ屋根の下 生まれも育ちもちがい学友でも同僚でもボランティア・趣味の仲間でもない まったくの赤の他人10人 好き嫌いもあるし合う合わないもある10人が どのようにコミュニケーションをとりあってきたでしょうか・・・

8年たって 毎夕6時からの夕食の時間が大きな役割を果たしているのでは?と気づきました。昼間は出かけたり部屋でひとり孤独を大事にしているメンバーも 夕 方の1時間だけは食堂に集まって同じ食事をいただく。喋べる人も黙々と食べる人もいろいろだけど 共に食事の時間を過ごすだけでわかってくること・・・それは”人となり”というか 生育歴・職業歴など分からなくても なんとなく立居振舞いから伝わるその人の姿 その人の感じ方のようなもの。

人は家族 恋人 友だち 同僚と共に食べて心も体も養います。一緒に食卓を囲んでいると あー、支えあっているんだなぁという実感が湧いてくるから不思議です。「要らぬお節介は焼かないけど ほどよくお節介を焼く」現代の長屋 気持ちが通じないなぁと思った人も いつの間にか運命共同体のお隣さんに。。。

ほどよく一人ぽっち(自立)で ほどよく共に過ごす(共生)令和の長屋暮らしはなかなか居心地がいいのです。                (入居者・土)

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せせらぎ遊歩道に堂々と咲くベニバナトチノキ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

若者の親切に心がぽかぽか

2025・5・15

初めて行く会場で観劇の帰りに素敵なことに出会いました

いつもは友だちと誘い合って川崎市内の会場に行くのですが20250217_132203

どうしても都合がつかなかったのです

さりとてチケットを無駄にするのももったいなくて、鎌倉芸術館に1人で行くことにしました

川崎に転居して5年目になり、ようやく東京方面への移動は慣れたと言え鎌倉は初めてです

夕方の開演までの時間を鎌倉駅周辺を巡ることにして、観光案内で教えてもらい大仏様、長谷寺の観音様、鶴岡八幡宮を杖を頼りにバスで回りました

小町通りでは丁度解禁になったしらす丼を昼食にしました 

どこもかしこも外国の人の方が多くて、ニュースでよく聞く多国籍の観光客で溢れている観光地の情報を実体験しました

ちょっと欲張りすぎたかなと急ぎ大船に戻り鎌倉芸術館に急ぎ観劇をしました

終演後また急ぎ大船に戻り、ちょうど到着したJRに飛び乗りました

これでやれやれ!少し疲れたなとぼんやりしていると        20250217_132213

「次は品川」というアナウンスが飛び込んできました

行きは通らない駅でしたから頭はフリーズ どうなってるのと半ばパニック

立っている人に「武蔵小杉に行きたいんだけど、これ停まりますか」と聞きました

「これ東海道線だから通らないと思う」と若い男性が答えてくれました。

エッエッと固まる私

その時若い女性が自分のスマホを見せて、「次の品川で降りて横須賀線で2つ戻れば大丈夫」と

この時間でもその次でも間に合うから、念のため自分のスマホに写メしたらどうかなと教えてくれました 

写真を撮って横須賀線横須賀線とつぶやいていたら、先ほどの男性が僕たちも品川で降りるから、横須賀線乗り場までご案内しましょうと、一緒に降りてくれたのです

私のペースを見てゆっくりでいいですよと声掛けしてくれ、仲間の友だちにちょっと待っててねと言ってホームへの下り口や時間を確認してくれ「ここで大丈夫」と笑顔で送ってくれました

今日は疲れたと思っていたけれど、偶然列車内で出会った若い男女の親切に心がほのぼのして疲れがどこかへ消えていきました

大船駅で横須賀線を待てばよかったようですが、一つの線路にいろいろな路線が通っていることが私の理解を超えていました

心の中がポカポカして、間違えたからこそ素敵な出会いと体験があったとしみじみ思います                           (入居者・石)