cocoせせらぎに暮らして    2025・8・10

真の「自立と共生」を求めて  〜〜佐々木 炎先生の講演〜〜

cocoせせらぎが「自立と共生」の看板を掲げてすでに11年 今年8月で12年目を迎えようとしています。「自立と共生」はほんとに実現できているでしょうか?

昨年 入居者有志が「なんとか最期までここで暮らしたいね」と一年間かけて勉強会をもってきた「終の住処プロジェクト」 回を追うごとに私たちは自立と共生の大切さを感じてきました。その記録を読まれた前田前理事長は「自立と共生」を今一歩深めるために「真の自立とは? 真の共生とは?」というテーマで講演会を開きたいと企画され 総会で可決されました。そこで今までもよく来てくださっている介護事業所ホッとスペースの所長であり キリスト教会の牧師でもある佐々木炎先生をお迎えしました。

暑い最中の17日でしたが 介護度が進んでcocoせせらぎからホッとスペースの介護施設に移った I さん O さんも お話を聞くために一緒にやってきて・・・約20名の参加ではじまりました。

『「皆さん 自立とはどのような状態を指すでしょうか?」

自立とは 自分のことは自分で賄う「自助・自己責任」のことではない。

真の自立とは 他人の意向ではなく 自分の意思や価値観に従って行動する「自律」の状態を指す。年をとって体が動かなくなっても自分らしく 自分の判断で生きていくことが真の自立です。

一方 人間は自分の人生をまっとうするためには 他者への依存がなければ生きられない存在である。(同時に人間は他者を支援する存在でもある。)                    人間として自立するとは 依存先を多くもつこと ということを憶えてほしい。

 

「では真の共生とは どういうことを指すのでしょうか?」

人は傷つきやすい存在で ときに倒れることがある。そのとき

① 自分でなんとか解決するのが自助

② 介護保険など公共サービスに助けを求めるのが共助

③ 生活保護など行政の支援にたよるのが公助・・・この三つの方法があるが

経済的に衰退している今の日本で この三つはどんどん縮小していっている。そして4つ目の方法として 互助(家族を超えたコミュニティー内での支え合い)が今求められるようになってきている。

人口の約半数が孤独・孤立を抱えている日本 6割が生活が苦しいと訴えている日本 そして助けが必要な人ほど支援を要請しない日本。誰かに頼る力(受援力)が必要な状態なのに 日本の今の社会は「頼る力」が弱い。人間は「助けて!」と周りの人に言って コミュニティーのなかで支援しあうことができる存在だ。

これまで人間関係をなんとか保ってきた「地縁」「血縁」「社縁」が弱まっていくなかで cocoせせらぎは家族を超えて メンバーそれぞれが抱える情けなさも共有しながら お互い仲良しの関係ではなくても 安心して自分らしくいられる場所をつくりだしてきた。この安心できる場所を地域にまで広げて 地域のなかで困っているたくさんの人への支援を発信できるcocoせせらぎになってほしい。』 20250429_160950

せせらぎの川で生まれた小ガモたちが元気に泳いでいます

先生は ご自分の介護事業所や施設での経験を交えて 自立と共生という抽象的で分かりにくいテーマを なじみやすい言葉で40~50分話してくださいました。私たちはそのあと cocoせせらぎで共に生活している実感 地域に生かされている活動など 思い思いに感想を語りあって 和やかな時間を過ごすことができました。佐々木先生 いつもながらお忙しいところ時間を作ってお話しくださり 本当にありがとうございました。

開設メンバーの大きな志によって建てられたcocoせせらぎ・・・それを私たちはどのように継承していけるでしょうか。真の自立とは? 真の共生とは? いつも宿題のように胸の中に思いながら少しずつでも進んでいきたいと思います。             (入居者・土)