cocoせせらぎに暮らして   2021・4・20

cocoせせらぎに暮らして            2021・4・20

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Jさんの折り紙でたのしいせせらぎ の掲示板

    日々感動!!

月日のたつのは早いものでcocoせせらぎで働き 3年たちました。この地域に知人がいて せせらぎの前を散策していると 掲示板にカフェ開催のお知らせが目にとまりました。数回カフェに通ううち 顔見知りの方がいることに気づき「このような所で働けたらいいな」と知りあいの方に話すと「入居者さんも増えるから大丈夫だと思うよ」と言われ

せせらぎの責任者の方に連絡してくださり 面接となり採用されました。

私の担当は 週2回 1階のサロン・お風呂・トイレ・外回りの清掃です。自分のペースで働けること また心なごむ環境や人とのつながりがあり 今に至っています。

せせらぎに来た当初 建物回りの一部が殺風景でしたが 少しずつ植物を植え 今では草花も大きくなり 入居者さんや通りがかりの人たちから声をかけられます。

趣味では折り紙を楽しみ 掲示板に飾らせていただき 楽しんでもらえたらうれしいです。

このような生活の中で 日々メリハリがつき 学ぶことも多く 一石何鳥にもなっています。これからも入居者さんや地域の方々と交流を深め 充実した日々 感動ある日々を共有し 大切に過ごしていきたいと願っています。                      (J)

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プランターで育てたフリージア

いっしょに食べることーーー縁食

cocoせせらぎは2階と3階に5つずつの個室が並んでいて 昔の長屋のようなつくりです。江戸時代の長屋には必ず水場があって そこで井戸端会議がさかんだったようですがせせらぎには井戸がなく、そのかわりにあるのが食堂での井戸端会議です。

70、80代の私たち ここにくるまで他人同士だった10人の井戸端会議といえば 「きょうは虹を見たよ」「夕焼けが綺麗だった」「あしたは暑くなるってよ」と天気の話・・・「この大根おいしいね」「どうやって煮たの?」「あそこのスーパーはいつもいいバナナが置いてあるね」と料理や買い物の話・・・「きょうはあそこの病院に行ってきたんだ」「私はこっちの病院」「どんな先生だった?」と健康の話くらいです。コロナ以降は感染者の人数の話 オリンピックをやるのだろうかという話も。でも・・・                              昼間は個室で それぞれが一人暮らしのような自由な時間の過ごし方をしていても やはり人恋しくなる夕刻になると下りていって  ”きょうも一日みんな無事で過ごせたね~” とは言わなくても みんなホッとして同じ食事をいただく・・・これは1日を締めくくる一番のハイライトでした コロナがくるまでは。

ダイアモンドプリンセスのころは「コロナなんてくるわけがない」と言う人もいましたが 第2波になるとだんだん警戒心が高まり アクリルの遮蔽板をたてて食べるようになりました。でも「せせらぎからコロナ感染者が出ても病院がいっぱいで入院できないかも」なんてことを想定しなければならなくなった第3波では ついに「部屋食にしましょう!」ということになりました。その時 いままで当たり前だった1日一回の顔合わせ それが大切な時間だったと気づかせられました。

ちょうどそんな折 新聞で『縁食論 孤食と共食のあいだ』という本の広告を見つけたのです。縁食? はてなんだろう? さっそく読んでみました。著者の藤原辰史さんは「食」から歴史を研究する京都大学の先生で 食によって縁が結ばれる現場をいろいろ書いておられましたが 概要はこんな風でした。                                    『縁がぶつぶつにきれてしまっている現在 縁を結ぶ場所として食は最適。栄養をとるという以外の目的をあえて強く設定せず 人と人との交わる場所。食べ物を通じた人と人の結びつき方は率直で 料理する側と食べる側の交流も自然に生まれる。

縁とは 人と人との深くて重いつながりではなく 単にめぐり合わせ ある場所に同じ時間にとどまっているに過ぎない ゆるやかな並存。ちょっと立ち寄る 誰かがいる 話さなくてもよい 作り笑いも無用 食べてちょっと掲示板や月をながめて帰ってもいい。

歴史的に 食べ物やアルコールが集まる場所は文化や情報の集積する所で 食べることによって多様な出会いがうまれる。』

せせらぎ の食堂はまさに ” 縁食 “と言うに ぴったりの空間だなぁと読みながら思いました。私たちは気楽なひとり住まいを楽しむ個室だけでなく 人の息づかいの感じられる食堂ももっているというわけです。縁もゆかりもなく あちこちからやってきた10人にとって 食堂はまさに「ご縁」の場所。老いの日々の 体も心も養ってくれる大切な場所なんだな・・・

オリンピック開催を進めるためか緊急事態が急に解除された3月末 せせらぎでも終息まで待ちきれずに 消毒・マスク・換気をしたうえで食堂を再開しました。部屋食がいい人は部屋で取る日もありますが 食べて少しお話しすれば笑顔にもなるし・・・                  いっしょに食べることで cocoせせらぎの10人が助けあい 支えあいながら残された人生を豊かに暮らすご縁が結べたらうれしいです。                      (R)

IMG_0003                    裏庭で育った春の山野草 宝鐸草 姫空木 苧環など