コロナの置き土産

2023・10・30

 

この写真はなんでしょう?

3年ほど前 日本に住所を持っている全員に2枚ずつ政府から配られたもの・・・そう いわゆるアベノマスクです。スクリーンショット 2023-11-06 114528

今まで人類が罹ったことのないウィルスで世界中が大混乱におちいったコロナ。日本でも正体のわからないこの病気でつぎつぎ人が死に 薬は?  予防法は? ワクチンは? と不安に陥り アルコールやマスクを手に入れるための 長い行列ができました。

日本は先進国だったはずなのに マスクも手に入らないし ワクチンも作れない国になってしまったんだ・・・がっくりしながら やっと手に入れたマスクを何度も洗って使い回していたとき なんと時の首相 安倍晋三さんが考えたのがアベノマスク。「布なら洗ってずっと使えるだろう 2枚ずつ配れば それで国民は安泰」と考えたらしい。あまりに国民をナめたコロナ対策ではないですか! 2億4千万枚を大急ぎで作ろうにも 国内に生産基盤がなくなっていて東南アジアに発注したという話も聞きました。

 

どんな立派なマスクだろうと待っていると 来ました! 郵便屋さんはふだん郵便局から縁の遠い家も探しあて 国民一人一人にほんとにご苦労さま。開けてみると ん?子ども用? と思うような やたら小さいガーゼマスクが出てきました。口に当ててみると 分厚くて息もつけない! これは眼帯かな?と目に当ててみたりしましたが そのうちこの役立たずはどこかへいってしまいました。その後アベノマスクをつけている人にお目にかかることもなく テレビの安倍さん本人も ちがうマスクでした。

 

コロナの正体が少しずつわかり 患者数が減ってきて アベノマスクのことも忘れかけた頃 新聞に小さい記事が載りました「受取人不明のアベノマスクを保管する倉庫費が膨大なので 希望者に送付」とのこと。うーん あのガーゼは政府調達だけあってキメが細かく立派だったなぁ もったいないなぁ 送ってもらおうかな と考えたのです。厚労省のホームページを開けて 私にはなかなか面倒な手続きでしたが なんとか申し込んで・・・忘れかけていた頃なんと!ほんとに届きました。ダンボールに100枚のアベノマスク。

 

多大なお金を使った貴重なガーゼマスク おろそかにしてはいけないと思いつつアイデアもなく しばらく放ったらかし。猛暑で部屋にこもっていたときにふと そうだ! 風呂上がりのガーゼガウンがくたびれている ガウンを作ろう! とさっそく作業にかかりました。スクリーンショット 2023-11-06 114603

マスクは50㎝四方くらいのガーゼを15分の一に折りたたみ 左右にゴムを挟んで二箇所のミシン掛け という簡単な作りでした。しかしカッターで縫い目を開き ゴムを外し 糸くずを取り除き・・・これを100回 なかなか根がいります。

でも縫いはじめたら ミシンでまっすぐまっすぐ どこまでも・・・26枚のガーゼを使って あっという間に上等二枚重ねガーゼガウンができあがってしまいました。柔らかくて真っ白なガウン! やはり政府調達品はどこかちがうなぁ と毎日使いました。

 

まだまだガーゼが残っています。

なにを作ろうかなぁと考えているところに「ガーゼの肌掛けが欲しい」と娘からの注文。またまっすぐまっすぐつないで スクリーンショット 2023-11-06 114615三枚重ねの大判肌掛けと中判肌掛けの二枚ができあがりました。以上三つの作品で使ったガーゼ合計99枚。不思議なように一枚 手元に残ったのです。

 

人類に大きなツメ跡を残したコロナ・・・4年間の苦しかった経験からたくさんの教訓を受け取りましたが この一枚のアベノマスクも「ナめられた記念品」として手元に大事に残そうと思っています。

(入居者・土)

NPO法人cocoせせらぎ 第10回総会

2023・10・30

10月24日 記念すべき10回目の総会が開かれました。秋晴れの当日 入居者 運営委員 理事 スタッフなど 正会員26名中19名が集い 10時から始まりました。

2022年9月から今年の8月までの せせらぎでのすべての活動 会計の動きが報告され 多岐にわたる質問もあって活発に質疑が行われ 無事に今期の運営が了承されました。

日本全体の経済的な落ちこみと戦争その他による物価高という大波のなかで 小さな組織であるわがせせらぎも揺らぎ 特に食材費の面で再考を余儀なくされました。入居者会議で運営側と何度か話し合いをもち 5000円値上げということが総会前に決定されていたので 来年度の予算・計画も了承。また一年 このcocoせせらぎという大事な小船を新たな10年に向かってみんなで漕いでいこう! と思いを新たにしました。

出席の皆さんで簡単な昼食を共にし 今年の総会は終わりました。

 

10年間いつもせせらぎの中にいて 優しい笑顔で支えてくださっていた福井正子さんが 79歳になったので事務局長 ライフサポーターの役は降りて 理事 運営委員 ボランティアとしてこれからはせせらぎと関わりたい と総会で挨拶されました。

10年前に志をもって立ち上げられた前田由子前理事長のこと 諦めずに土地探しを続けられた白井理事・この場所をやはり志をもって提供してくださった秋元幸子さんのこと 棟上げ式の餅まきの話 入居者が4、5人という状態がつづいた当時の苦労 10人満室になって喜びあったこと・・・などなど福井さんは思い出を語られました。

この10年間 福井さんはいつも事務室のテーブルの向こう側から ふらっと立ちよった私たちに優しく話しかけ 気持ちを受け止めてくださいました・・・意見したり否定したりでなく受けいれる優しさをいつも感じました。福井さん 今日はいらっしゃるかな〜〜 といつも楽しみにしていました。これからもお元気な顔をたくさん見せてくださいね。スクリーンショット 2023-11-06 114104

理事の久保さんは 今年も体調に問題を抱えつつ そんなそぶりもなく颯爽と総会に参加してくださいました。「大きな手術を控えているけど 来年も無事だったら元気で参加しますよ」と言って帰られました。例年のように農園からのお土産でサツマイモをたくさん・・・調理スタッフの皆さんはそれを余すところなくメニューに生かし サツマイモご飯 大学芋 スウィートポテト お芋のリンゴ煮(入居者手作り)など 「食欲の秋」そのものの一週間を過ごさせていただきました。久保さん ありがとうございました。

↑  サツマイモがねずみに変身                                                                    (入居者・土)

ちょっとだけ贅沢 秋冷にふぐ料理

2023.10.30

神無月に入って漸く秋が来て、このところ10数日この上ない秋晴れが続きました。当然食欲が鎌首を持ち上げてきました。同居人のひとりからご馳走の提案がありました。いつもの半額でふぐを食べられるとのこと。その場で意見が纏まって、10月30日夕刻に予約しました。スクリーンショット 2023-11-06 110406

当日同好4人で意気揚々と小杉の専門店に繰り出しました。もともと自然発生的に湧き出た話ですので、まったく気兼ねなく、ビールから始まり、ひれ酒を経て、店先の水槽で泳いでいた活ふぐの皮刺し・ふぐ刺し・から揚げと続いて・・・・デザートまで。

食事がおいしいことは言うまでもなく、このような会食は一種の非日常として気持ちをリフレッシュできるスイッチになります。そのうえ、共生の潤滑油となって気心を共有できる良い機会になります。

季節の移ろいを感じながら、ささやかな贅沢はたまには許されるでしょう。

(入居者・池)

入居して十年 今思うこと

 

2023.9.18

2014年7月 78歳で私はグループリビングCOCOせせらぎに入居し、十年となりました。最初は4名というささやかなスタートでした。その間、出入りはありましたが、Oさんを迎えて十部屋満室になり、揃って賑やかに夕食をいただけるようになったことは嬉しいことでした。

料理を担当してくださる方、スタッフさんが交代で毎日の夕食を作ってくださり。おいしいねと共有存続できていることは一番の誇りかもしれません。

運営するにあたっては、手弁当でいかによい住まい方ができるか考えてくださっていること、ライフサポーター(事務局)は私たちを優しく見守ってくださっていますし、なんといってもオーナーの土地提供により、江川せせらぎ川沿いの環境の場所に建物ができて、私たちの愛する住居になりました。

入居者もお互い話し合いできる場面もあり、ざっくばらんに話して「自立と共生」グループリビング、暮らし方そのもので地域の方々も交えての活動もできてきた十年だったと思っています。終の住まいと考えていた私ですが、十年も過ぎると体はガタガタ、介護ヘルパーさんの助けを借りたり、リハビリに来てもらったり、お金も必要になってしまい、私の寿命はあと何年?ハタと気づきました。

あまりにも少ない年金、少なくなってしまった蓄えで、果たして大丈夫なのか不安が募ってきました。以前姪の一人が足りなくなったら出してあげると言ったけれど。まあ、あくまで口約束。こんな大変な時代だし、そんなことあてにできないなと思っています。

グループリビングは理想の住まいであることには違いないのですが、年金の高いところで仕事をしていた人、ある程度の預金のあることも条件なのでは?何か最後後ろ向きになってしまい、ごめんなさい。たった十年の将来を見通せなかった私がここにいます。だからと言ってそんな私では駄目です。心配せずにより豊かな生活ができる世の中に変えなければ・・・・と声をあげて行くことこそ大事な役割と思っています。

 

(入居者・三)

満月に誘われて

 

2023・9・5

 

9月はじめのまん丸のお月さまに誘われて いつものメンバー4人で しばらくお休みしていたせせらぎ遊歩道の散歩に出かけました。虫の声が夜毎にしげくなって 四方の草むらからリーン リーン ジ ジ ジ ジ と合唱するなかをお喋りしながら行きます。「私たちは幸せよね〜 玄関を出ればもう散歩道だもの」

「ほんと こんなに自然に恵まれた所だと思わなかった〜」

「もし私の頭が弱くなって徘徊をはじめたら この遊歩道を探してね。歩くといったらこの道しかないから・・・」

 

今年の春に生まれて もう成鳥と変わらないくらいに育った兄弟カモが 今夜のネグラと決めたのか 川のまん中の小ぶりの石の上に6羽ぎっしり座っています。

「もうお母さんの姿は見えないね。」

「親離れしたけど ちょっと自信がないのかしら まだ兄弟一緒にいるのね。」

「最初は子ガモが12羽もいたのに・・・ この子たちはがんばって生き残ったね〜」

 

今夏の猛烈な暑さのなかでもがんばってニチニチソウが咲いています。きっと毎日せっせと水やりしている方がいるのでしょう。街灯に照らされて葉っぱの上に露が光っています。「わぁ〜 露がホタルみたいじゃない?」

「ほんとだ きれい! ホタルって最近見ないね。」

昔を思い出しながら ひとしきりホタルの話。

 

歩きはじめたときには住宅街の屋根の間から 角度の関係かびっくりするくらい大きく見えていたお月さま お喋りしている間に私たちの頭の上にあがっています。そろそろUターンして帰りましょうか ヨッコラショ! ベンチから立ち上がろうとしたのですが 夏の間さぼっていたために 立ち上がるのがとてもおっくう。

「あぁ、人間って こうやってフレイルになっていくのかなぁ。」

「歩けなくならないように 毎晩少しでもいいから歩いて 習慣にしようね。」

 

帰り道には水琴窟という楽しみがあります。この辺りの植栽ボランティアの方が作ってくださった装置 LEDライトをぼんぼりのように囲って夜道をうっすら照らしている所に 土甕と水差しと竹筒が。手作りの竹製の水差しで 水を小石が敷きつめられた甕の上部から落とすと 土甕のなかに滴り落ちる水滴。。。 それが下の水たまりに落ちるとき 中は一体どんな構造になっているのか 土甕の空洞で響き合って・・・竹筒を耳に当てて聞くと それはそれは美しい響き♪♬

キーン コーン ポチャッ ボーン 高音から低音まで 暗闇のなかで聞く幻想の音楽会です。

ふといい香りに振り向くと せせらぎ川の向こう岸から枝を垂らした大きなネムの木が 花盛りなのでした。ネムの花の甘い香りに包まれて・・・目と耳と鼻と 心も満たされて 4人は部屋に帰りました。                                                                                                   (入居者・土田)

 

写真:今年の花は暑さでやはり全滅でした 去年の秋の写真から・・・左から

「フヨウ芙蓉」「花ほうづき」「ムクゲ無窮花」「カラスウリ」

スクリーンショット 2023-10-06 133615

梅を楽しむ

2023.8.28

春に可憐な花を咲かせた梅が初夏に実スクリーンショット 2023-08-31 154114

を結びます。

青梅から完熟梅まで『梅仕事』として活用の方法が新聞記事,TV番組、はたまたスーパーのチラシまであれこれの情報で溢れていました。

ひと昔までは青梅は梅酒か梅ジュース,完熟梅は梅干しにが普通でしたが,昨今は梅酒・梅ジュースにも工夫がいっぱいです。漬ける前に一旦冷凍したり、氷砂糖の代わりにキビ砂糖や黒糖を入れたり、様々なスパイスを入れて作る方法も見られました。

私たちcocoせせらぎの住民にとっては厳しい夏を健康的に過ごすために各人が工夫することは勿論ですが、夕食の食卓にもう一工夫欲しいと梅酒と梅ジュースを食前酒として有志で作っています。

それには去年今年と大家の秋元さんから庭の杏を頂いたこと、去年地域有志から梅をいただいたことが影響しています。行事の時に皆さんに試飲していただいていましたが、今年から夕食に飲むことにしたのです。

小さいグラスに少しづつですが手作りの味に満足しています。

今年の梅ジュースは試しに冷凍してから氷砂糖と共に漬け込みました。短期間のうちに梅のエキスが出てびっくりしました。又発酵もするので純リンゴ酢も少し加えてみました。

梅酒は少し贅沢に梅酒用ブランデーを購入、とても良い香りです。

日頃アルコール類を口にしない人も,滑らかでスッキリした味に誘われて飲んでいます。

充分漬かって梅を引き出した時は、煮梅にしてデザートとして食べるか、ジャムにするかも話題に尽きないこの頃です。

(入居者・石)

ピアノは友だち

2023.8.28

 

どこからかピアノの音が聞こえてくると・・・ぽっと明りが灯ったような気持ちになります。最近はよく街角や駅にピアノが置かれ それが放映されていて 私はとくに空港ピアノの番組が好きです。これから外国に発つ人や外国からやってきた人たちがせわしく行ききする空港 なかには難民としてたどり着いた人 亡命してきた人もいます。それぞれの事情を抱えて通過する瞬間の地点で あっ ピアノだ! と吸い寄せられるように近づいてきてピアノ椅子に座る人たち。

 

プロのピアニストもいます 独学で覚えたという人も 練習しはじめたばかりの小さい子どもも 80歳を超えた老人も弾きます。。。老若男女みんな「音楽に支えられている」「ピアノを弾くと元気がでる」「弾くことでリセットされる」「良いエネルギーをもらえる」「音楽は愛や幸せをくれる」「寂しさを忘れることができる」「言葉では言い尽くせない想いをのせる」と・・・さまざまピアノへの思いを聞いていると この楽器のもつ力を あらためて感じます。

先日のワルシャワ空港のピアノで だれかを見送りにきて70歳の男性が弾きました「自分は神経科の医者で 重病の子どもと向きあわなければならない。休憩時間にも病院のピアノを弾く。ピアノは脳に大きな影響を与える 脳をマッサージしてくれる存在だ」と。青空のようなきれいなブルーの上下を着た紳士だったけど 一生を病院で患者の抱える荷物をともに背負って過ごす彼には きっとピアノのマッサージが必要なんだなーと しばし遠いワルシャワの病院を想像しました。

 

私にとってピアノはなんだろう。うまく弾けるわけでもない 毎日弾かないでいられないほどでもない でもいつも近くにいてくれる大切な友だち なんでも話せて孤独を分かちあえる友だち・・・と言えるかもしれません。

ピアノを買ってもらえるような裕福な家ではなかったので 隣の家から響くピアノの音にいつもあこがれていました。中学の3年間 女学校の音楽の先生にピアノを習いましたが 自宅にピアノがない生徒は交代で小部屋で練習しました。念願の自分のピアノが手に入ったのは30代 “ 娘のピアノお稽古” のためにローンを組んで買ったけど本人は興味を示さず   ”お母さんのピアノ” になったときでした。黒ではなく外側は茶色の木目で 先生がヤマハ本社まで足を運んで選んでくださっただけあって とても響きのいいピアノ 保育の仕事をした20数年間 子どもたちの歌やリズム遊びの伴奏を練習するのに大活躍しました。家が手狭になり北海道に家を持ったときピアノを移し 大自然のなかで遠慮なく下手くそピアノを弾きました。三角屋根の吹き抜け木造の家だったので ピアノを弾くと家全体が楽器のように響き・・・真っ暗闇のなか月の光がこうこうと家の中まで照らす夜にはベートーベンの「月光」を 隣の友人が来ていっしょに歌うときも弾き 夫がいなくなってからの孤独をどれほど慰められたか。 cocoせせらぎに移ったときには電子ピアノに買い換えて・・・私は50年ずっと ピアノから離れずに暮らしてきました。

ピアノ曲(特にショパンの)を聞くとき 自分の一部が場所も時代も超えてどこか遠くへ連れていかれるような それが郷愁なのか憧れなのか・・・よくわからない感情にとらわれることがありました。ここじゃないどこかに自分はいるはずだ というような叶わない憧れの感情を “サウダージ” (日本語には訳せないポルトガル語)ということを 後になって知りました。

サウダージのピアノ・・・憧れのショパン曲を 一曲でいいからいつか弾けるようになりたいと「雨だれ」に挑戦しました。長い間かかってやっと完成 今年の3月cocoせせらぎのひな祭りの日に皆さんに聞いてもらいました 人前で弾いたのははじめて。

「月光 」「雨だれ」「バッハのプレリュード」大好きなこの3曲スクリーンショット 2023-08-31 153948

は忘れずに ずーっと弾いていたいな! でも

・一瞬頭がまっ白になって 今どこを弾いているのか楽譜を追えないことがある

・シナプスがプッツンして 脳の指令が指まで届かない

・手指が震えて 鍵盤がうまく押さえられない など 81歳の体に不具合がつぎつぎとやってきます。

願わくば ピアノという友だちと最後の日までいっしょにいられますように。

(入居者・土)

 

 

 

 

 

七夕まつりで入居希望者と懇親会

七夕まつりで入居希望者と懇親会

2023.7.25

 いまCOCOせせらぎは10人で暮らしています。定員が10名ですので満員、空き部屋はありません。全国的にもグループリビングの数はなかなか増えないので、老後を自立して暮らしたいと願う方々の希望がかなえられていません。COCOせせらぎを見学、建物・立地を検分され、入居者やライフサポータほか関係者とも懇談して、改めて納得した上で、今後空き部屋が出たら入居したいという方には予約をしていただくことで、本日現在12名の方が申し込みされています。

入居が叶う日は予測できませんが、予約者もふくむ関係者の交流は、意義あると考えます。そのような場として年に一度の出会いを愉しもうという発想で、懇親会が昨年始まりました

今年の懇親会は、7月6日12時から総勢35名、内訳は、予約者6名・入居者10名・運営委員7名・スタッフ9名・ボランティア3名です。7月早々、3メートルの笹2本をボランティアさんが運びこみ、みんなで飾りも用意しました。

笹の葉がかすかに揺れ 参加者が願い事を書いた短冊を結んだ笹竹を横に記念写真を撮ることが懇親会の始まりです。

12時から事務局の進行で開会。乾杯、自己紹介、前田副理事長が予約者の方に電話連絡した際のエピソードなどもこもごも話され、スタッフさんの伴奏で七夕祭りの歌を始め、全員での合唱は笑顔の中に和やかさがいっぱいのひと時となりました。

続いて、いよいよ軽食と歓談。食堂ではつい先日買い換えた素敵な無垢のテーブルセットのお披露目もあり、ひとしきり和やかな時間があっという間に流れて、お開きとなりました。みなさんからは果物や飲み物・お菓子など差し入れがたくさんありました。

みんなで作り上げ、みんなで愉しんだ行事です。次の行事は何でしょう。お楽しみに。

(入居者 池・LS 佐)

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足利バスハイク

足利バスハイク

2023.5.31

5月11日待ちに待ったバスハイク。早朝4時16分には震度4の地震が強烈な目覚ましになって起こされました。

お天気は上々、COCOせせらぎを出発。みんな楽しそうな笑顔でした。往路は渋滞もなくスムーズ、予定どうりの時間で足利フラワーパークに到着。入り口からいい香りがして「ワァ」と歓声を上げるほどの花々・・・・・。バラがちょうど見頃で黄色・赤・ピンクなどなどバラのアーチをくぐり、思いきり堪能し、感激しました。カラーの赤、黄色、睡蓮も見頃でした。残念ながら。大藤と白藤は終わってしまい、黄藤がわずかに見られました。

フラワーパークを後にして、お蕎麦屋さんで昼食を。江戸時代の食べ方で天ぷらが天汁の中に入っていてその天汁に漬けて食べました。

歩いて数分のところに足利学校があり、ガイドさんの案内で説明を聞きながら門を三つ通って、孔子の大きな像を経て学校に。まあ、昔の方々の勉強の姿勢を感じました。その後、佐野厄除け大師をお参りし。厄を払い身を清めて帰路につく。高速道路を降りたらすごい渋滞で帰宅がだいぶ遅れてしまいましたが。バスの中を和気あいあいでとても良い旅行になりました。

また行きたいね。次はどこに行くかなという言葉も聞こえました。また計画したいですね。

スタッフ(小)

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『いつまでもココに居たい! そのために知っておきたいこと』

 

『いつまでもココに居たい! そのために知っておきたいこと』

勉強会報告 佐々木直子さんをお迎えして

2023.5.18

 

よりよい高齢期をともに過ごすために,COCOせせらぎでは今まで「自立と共生について」「認知症について」など、講師をお迎えして勉強会をもってきました。今回は介護事業所ホッとスペース中原の介護支援専門員の佐々木直子さんをお迎えして「介護保険制度」の実際のところをお話ししていただきました。

vvvvvvvv

介護事業所「ホッとスペース」は もちろん制度にのっとった介護の仕事をやっている一方で まだ制度になっていないことに関わるケースも多くなってきています。精神障害の方 認知症の方 シングルマザー 刑務所少年院からの退所者など。最近では引きこもりの方たちへのアウトリーチにも関わり 支援のはざまにある問題の相談にものっている事業所です。

きょうは 皆さんと関係のある高齢者介護保険制度について おさらいしたいと思います。

日本に介護保険の仕組みができたのは西暦2000年で65歳になると国民全員が緑の保険証をもらえます。(40歳以上で特定疾患などの場合でも支援が受けられます。)

このサービスを使うには 役所に申請して調査を受けて認定されたら役所からケアマネジャーの一覧をもらって そのなかからケアマネジャーを決め 介護サービスがはじまります。

どんな介護サービスを受けるかは、ケアマネジャーと話し合ってケアプランを作ります。全部を介護保険でまかなえるものではないので、最低生活をつづけるだけでも保険からオーバーする場合は自費でまかなうケースもあります。全部を税金でやってもらえない今の日本の財政状況 少子高齢化で 支える側はどんどん減り 支えられる側は増える一方であることを考えると これ以上政府に期待できないかもしれません。

 

現在の介護保険制度でどのような生活が可能か 3例をあげて説明したいと思います。

  • 要介護5の男性 息子と二人暮らしで寝たきりなので 息子が出社している時間を支援します。 訪問介護(朝のオムツ交換)・週2 身体介護(昼食介助)・週6 訪問入浴 ・週2 身体介護(夕方の水分補給)・週4 介護用具貸与2

介護費用は 1割負担で1ヶ月に47,745

  • 要介護4の女性 一人暮らしでホッとスペース内に住む 身体介護(トイレ デイ準備)・週7 デイ通所・週2 入浴・週1 身体介護(トイレ 夕食弁当介助)・週7 介護用具貸与4 認知症加算

介護費用は 3割負担で1ヶ月に90,753

  • 要介護2の女性 ホッとスペース内に住む 娘に入浴させてもらう デイサービス・週6

介護費用は 1割負担で80,479

  • ②③共にデイサービス内での食事代は別で 1回500800

 

「最後までCOCOせせらぎにいたい」という今日のテーマを考えていくとき どのような支援があり どれくらいお金がかかり どのような介護からもれるすき間があるか これで少し具体的になったでしょうか。 みなさんの中で最後までせせらぎで過ごそうと思っている人はいますか?

どんなに有効に介護資源ネットワークを使っても どうしてもすき間の時間ができてしまうのが現実です。それをどうやってせせらぎの中で支えあうか すき間をボランティアでなんとか埋められるかが鍵となってきます。ボランティアは無償だからそんなに簡単なことではないですよね。

たとえば①の例にあった 夕方水分補給のための30分を介護ヘルパーさんに頼む 買い物をヘルパーさんに頼む・・・のではなく誰かが助けることができるか。ちょっとしたことを助けてくれる人がいるか 支えあいのシステムを作りあげることができるか ということです。

そしてもう一つ 最後をせせらぎの部屋で迎えたい場合 往診の先生が必要です。一人で最後を迎えてもかかりつけ医師が死亡診断書を出してくれます。そうでないと警察が関わることになります。死亡から24時間以内だったらオーケーです。私はたくさんの死を見てきましたが 部屋で一人で死ぬことは特別のことではないと思っています。家族と過ごしていても個室で寝ていれば 最後はだれも看取らないこともあります。

他人のことではなく明日の自分のことと考えたからこそ このような学習会が企画されたのでしょうね。私はCOCOせせらぎが 他とちがう「共生していこう」という “種が撒かれた場所” だと思っています。みんなの心持ちによってチームができていくもので 5年ほど前にうかがったときと比べて いいチームになっているな と感じました。

 

ーーー質疑応答ーーー

・最後の段階で 介護5の寝たきりのような状態になった場合 ここで過ごすのはちょっとむずかしいかな と正直思います。でも介護3・4くらいまでは 介護保険を使って みんなで学び協力しあって 勉強しあうならせせらぎで過ごすのも大丈夫かなと。どこまでその気になって協力しあえるか・・・今日お話を聞いて かなりのところまで行けるのではと思いました。

・意思疎通ができなくなるなど 一定のところまで行ったら ここで過ごすのはダメかなという意見が今までありましたが 実際ここで最後まで暮らしたいという人の手が挙がり 大家さんの協力もあり 可能かなと感じられました。

・認知症になった場合 COCOせせらぎにいられるでしょうか。

答:認知症についてはケースバイケースです。こうなったらせせらぎでは無理というような線は引けません。それはみんなで作っていくものです。認知症というのは 対応によって 環境によって 一人一人の気質によって 問題行為になるかならないかが分かれてきます。 研究も日進月歩で 薬も出てきています。ただ認知がむずかしくなる前に任意後見人を決める手続きを裁判所でしておくことは大切です。

 

新しい取り組みをさまざまなされている ”ホッとスペース” で 90名ものヘルパーさんたちのトップとして日々お忙しく過ごされている直子さん 時間を割いて 私たちの悩みに耳を傾けてくださって 本当にありがとうございました。(入居者・土)